

シャンゼリゼからボンジュール
パリ祭セールのお話
小雨の降り続く梅雨は人の心まで湿っぽくしてしまう。
6月から7月にかけての東北地方の空は重い。「ツユ明けと共にナニか気晴らしになるセールをやってみよう・・・」誰からともなくそんな声が出た。昭和31年6月のしとしとと降り続く雨の中での話である。
いろんな案が飛び出した。ハンドバッグは女性のおしゃれ、どちらかというと洋風のイメージである。それならグンと洒落たムーディのものが良い。そう「パリ祭」といこう。社長の一声ですべては決定した。
<パリ祭セール>のスタートである。マドモアゼル・ド・パリ。シャンゼリーゼからボンジュールといこうと、遠いフランスの模索から始まる。レコード屋に飛び込んでシャンソン特集を両手に抱えてくる者。本屋に行ってフランス写真集を買ってくる者、ウィンドウの飾りつけに頭をいためる者、みんなが分担して何から何まで新しいものづくめでパリのムードを作る努力が始まった。
かくて本場パリでのフェスティバルの7月14日、仙台でミニパリ祭が開催された。入口には<凱旋門>の形のアーチが堂々とあたりを睥睨し、店内にはイヴ・モンタンやイベットジローの唄がいやでもパリムードを盛り上げる。目につくところ全てが欧州ムードいっぱいのセール。洒落たセールが話題を呼び、予想以上の成果を収めたようである。
バタ臭いセールの仙台での開幕である。



第2部
